DETAIL
大正・昭和初期の洋風モダンなお屋敷の「間取り」約200点を収録!!
大正〜昭和初期に開発された関西郊外の鉄道沿線の住宅案内広告から、選りすぐりの「間取り」を収載します。
大阪の建築史家・橋爪紳也が、その膨大なコレクションから多種多様な住宅間取りを選定、当時の生活史を読み解きます 和と洋の部屋が入り混じり、現代とまったく異なる文化的な住宅様式を楽しめる建築・間取り好き垂涎間違いなしの一冊です。
「モダン/レトロ住宅 新しいがゆえに懐かしい」
明治時代にあって、富裕層は和風の母屋に別棟の洋館を建てて、和洋の生活様式を使いこなしていた。対して大正から昭和にかけて、新たに都市の担い手となった郊外居住者のために、和洋双方の要素を折衷する中流住宅が大量に供給された。
私は、当時の都市文化や生活様式を研究する資料として、住宅の販売促進に配布されたパンフレットや案内図の類を、多く集めてきた。特に大阪を母都市として、各鉄道沿線に、電鉄会社や土地会社が開発した事例を中心に、数十の住宅地に関する販売促進資料などを保有する。
(中略)
この種の郊外住宅にあって、新しい「洋風住宅」、もしくは和洋折衷を試みた住まいが、多く提供されることになる。本書は、私の収集した多数の事例から、当時の住宅事情を推察することができる間取り図をいくつか抜粋して、小著として編んだものである。
竣工時には最新のモダン住宅であったが、今日の眼で眺めると、懐かしいレトロな住まいという評価になるのだろう。モダンかつレトロな間取りを探訪いただければ幸いである。